ぜい肉がタップリついてる間は、分からない真実がある

ヨガに出会う前の会社勤めだった頃、体脂肪率が28%を超え、病院で高脂血症と診断され投薬が必要ですと告知されたことがあった。会社の仲間達にはカッコ悪くて言えなかったけど、激しいショックだった。

スポーツジムには定期的に通い、定期的な減量も行ない、十分な運動をしたつもりになっていたが、プチリッチになっていた私は謙虚さを忘れ、奢り高ぶり、贅沢な飲み食いを繰り返していた。今から考えると、恥ずかしいというか、情けないというか...。

それでも自分の「道」を探し求めていた私は、今と同様、よく東洋哲学関係の本は読んでいた。10代半ばから読んできたわけですから、いくらノロマな私でもそれなりに分かってきたことはずいぶんあった。仕事上で窮地に陥っても、幾度となくそれらの叡智によって助けられたり、精神的に救われたりしたことは無数にあった。ただし最終的な深い部分、「これだ!」という理解・体得は得ることができなかった。だから常に自分の人生に納得がいかず、「道」を探し求めていた。

おそらく東洋哲学を全く知らなかったら、行動がノロマで超運動音痴、そして精神的にもきわめて弱かった私は、仕事上での人間関係・ストレスとかを乗り越えることができず、重度のうつ病になって仕事を辞めるか、死を選択していただろうと思う。それくらい昔から弱虫でしたから...。

高脂血症と告知された当時、不思議な縁でヨガと出会った。ここからヨガに取り組み始めたわけですが、それはもう劇的な効果があった。自分の「道」をついに見つけたという喜びでいっぱいだった。

まず最初の体験で、強烈に目覚めた。何故か分からないけど、眠っていたDNAというか意識というか魂というか、そういうものが猛烈に眠りから覚めたのを感じた。当時はさっぱり分からなかったけど、今思えば、心を覆い尽くしていた雑念(悩み・迷い・思い込み・正しい知識・誤った知識・etc)の多くが、一瞬だけど取り除かれて、純粋で澄んだ心が表れた状態が出現したということでした。

この鮮烈な経験が元でヨガに惹かれ、仕事の合間を縫ってヨガにひたすら通いつめ、数年たった頃、ついには家族に「気は確かなの!!」と呆れられ、会社の同僚からも同情と憐れみの目で見られながらも、会社を辞め、スタジオを設立してヨガの道に入ったのでした。

そして現在、多くの人々とヨガの楽しみをシェアしながら生きているわけですが、この1年くらいは特に、自分の周りに起こる事象、世の中に発生する様々な現象など、その上辺ではなく根っこの部分への理解・体得が深く進みました。同時に今までも読んできたはずの東洋哲学関係の様々な本への理解も、目からウロコ!というくらいに深い理解・体得を得られるようになってきました。

これらには様々な理由が存在しますが、徹底したヨガトレーニングのおかげで、劇的に痩せて身体が引き締まったということが一番にあげられるかと思います。昔68㎏ほどあった体重は55㎏ほどになり、体脂肪率は約6%前後に落ち着いた。

無理な減量とかは何もなく、きわめてナチュラルな食生活ですが、余分なものは不思議と脳が判断してくれて、食べなくなった。脂っこいもの・辛いものが大好きだったけど、そういうものはほとんど食べなくなり、塩・醤油・ソースなどもほとんど使わなくなり、すべてに対して薄味のものしか食べなくなった。タバコは昔から吸わないし、酒もほんの少ししか飲まない。

こうなると何が起こってくるかというと、元来ヨガの気で身体中が活性化して深い落ち着きを得ているところに、身体の中から余分な脂肪が除去され刺激物も消え去ったわけですから、心身ともに見事に純粋なものとなった。

この純粋な状態で静かに深く内面を見つめていけば、心を覆う様々な雑念は取り除かれ、本来の純粋な心が出現して、真の自分と対話ができるようになる。身体中はとても澄みきり、脳が隅々まで冴え渡り、ハングリー精神(野生の本能)が沸き起こり、今まで理解できなかった世の中で発生するあらゆる事象の根本を瞬時に察知・理解できてくるなど、あらゆる面で、頭ではなく身体全身で繊細に物事の根本を感じ取り、深く理解できるようになってきたのです。

こういった感覚は無理な減量をしたり、スポーツジムで運動をバリバリこなして減量をしたりしても得ることはできない。肉体と精神、両面を同時に鍛える運動を道具とか薬に頼らず行い続け、さらに東洋哲学の叡智の数々を学び続けてこないと、この感覚を得ることは難しい、やはりヨガという5,000年の叡智はスゴイ!、そう強く感じます。

安岡正篤先生の本に載ってますが、先生は真向法という体操と坐禅を大切にしてきた。また、味は薄い方がいい、脂っこいものはひかえる方がいい、食べる量は少ない方がいい、心は静かに保て、言葉数(口数)は少ない方がいい、外物に頼るな、内面をよく見つめろ、身体は細身で引き締まってる方がいい、時々山川などに行って四足(四つん這い)になって歩きまわって獣に戻れ(野生の本能を呼び覚ませ)などとおっしゃってますが、まさにその通りであった。

余分な脂肪・毒素・刺激物を身体の中から除去して、身体中をキリッと引き締め純粋な状態にして、自身の内面を深く見つめてこそ、心を覆う様々な雑念が取り払われ、深い部分を理解・体得することができるようになるんだと、深く納得せざるを得ないわけであります。

先生の本は昔から一生懸命読んできたはずなのに、大切なところに気がつくのにずいぶんと年数がかかったなあと思うと同時に、改めて先生の偉大さが身にしみて涙することもしばしばです。

もう昔の肥満人間には二度と戻らない。戻るようなら人間失格だし、安岡先生にもクラスに来てくれる多くの仲間たちにも申し訳ないし、先哲たちに対しても恥ずかしいから、即座にヨガを辞めて死ぬしかない。

弱虫なりにも死の覚悟を持って、ヨガと東洋哲学の叡智を学び続ける毎日ではあります。

安岡正篤先生と先哲たちに深謝、合掌